AI Solutions

内部監査のAI活用と業務効率化

調書作成や情報整理といった定型業務をAIに引き受けさせ、監査人が判断と洞察に集中できる環境をつくります。まず決めるのは、何を任せ、何を人が担うのかの線引きです。

考え方

AIに任せてよい仕事と、任せてはいけない仕事があります。

監査の現場でAIに期待されるのは、たいてい「速さ」です。しかし監査という仕事の価値は、速さではなく判断の確からしさにあります。速く出た結論に根拠が付いていなければ、監査としては何も進んでいません。

そこで私たちは、AIを入れる前に業務を2つに分けます。ひとつは、手順が決まっていて、出力の正しさを後から検証できる仕事。もうひとつは、リスクの重み付けや指摘の判断のように、間違えたときに責任を負うのが監査人自身である仕事です。前者はAIに寄せ、後者に人の時間を残す。この順序を逆にすると、AIは「誰も検証していない結論」を量産する装置になります。

線引きが決まれば、実装は難しくありません。難しいのは線引きのほうで、そこは監査の現場を知らないと引けません。

任せられる仕事

AIが引き受けられるのは、この種類の作業です。

いずれも「出力が正しいかを、監査人が短時間で確かめられる」という共通点があります。確かめられない作業は、まだ任せません。

  • 調書のドラフト作成。ヒアリングメモや証憑から、決められた様式に沿った下書きを起こす。監査人は書き起こしではなく、確認と加筆から始められます。
  • 大量の資料からの情報抽出。規程・契約・取引明細から、監査手続で必要な項目を拾い出して一覧にする。
  • 過去の監査記録の横断検索。同種の指摘が過去にどう扱われたか、どんな根拠で結論づけられたかを、担当者の記憶に頼らず引き出す。
  • 報告書の要約と表現の統一。部門ごとにばらついた記述の粒度と用語を、規程で定めた言い方にそろえる。
ご支援の流れ

線引きを決めてから、実装します。

「まずAIを入れてみる」からは始めません。どの作業をどの精度で任せるかが決まっていないと、効果を測る基準も持てないからです。

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// 01業務の切り分け棚卸し

監査業務を工程ごとに分解し、「手順が決まっていて検証できる作業」と「人が判断すべき作業」に仕分けします。ここが成果の大半を決めます。

// 02対象業務の選定と精度の合意設計

効果と検証しやすさの両面から着手する作業を選び、どこまでの精度を求めるか、誰がどう確かめるかを先に決めます。

// 03試験導入と検証トライアル

実際の監査資料で試し、出力を監査人に確認していただきます。期待した精度に届かない作業は、範囲を狭めるか人に戻します。

// 04定着と対象の拡大運用

運用に乗った作業から順に対象を広げます。あわせて、AIの出力をどう記録に残すか(誰がいつ確認したか)を監査証跡として設計します。

よくあるご質問

任せる範囲、データの扱い、監査証跡としての記録について、ご相談の多い点をまとめました。

監査へのAI活用について、よくいただくご質問。

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AIに監査の判断まで任せられますか?

任せません。線を引くのは「手順が決まっていて、出力の正しさを後から検証できる作業」までです。リスクの重み付けや指摘の判断のように、間違えたときに責任を負うのが監査人自身である領域は、人に残します。

監査資料を外部のAIサービスに渡すことになりませんか?

どこで処理するかは、扱うデータの機密度に合わせて設計します。監査調書や証憑のように機密性の高い情報については、貴社の管理下から出さない構成を前提に検討します。

AIの出力は、監査証跡としてどう扱えばよいですか?

誰がいつ確認したかを記録に残す設計を、導入とセットで行います。AIが下書きを作ったこと自体は問題になりませんが、確認の記録が無いと後から検証できません。

どこから始めるのが現実的ですか?

効果の大きさと「検証しやすさ」の両方が高い作業からです。多くの場合は、調書のドラフト作成か、大量の資料からの情報抽出が最初の候補になります。

期待した精度が出なかった場合はどうなりますか?

対象の範囲を狭めるか、その作業を人に戻します。どこまでの精度を求め、誰がどう確かめるかを導入前に決めておくのは、この判断を感覚ではなく基準で行うためです。

既存の監査ツールを入れ替える必要がありますか?

必要ありません。いま使っている様式や記録の置き場を前提に、その手前と後ろの作業から手を入れます。入れ替えを伴う場合は、業務改革として別に議論すべき論点です。

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